All Mine 7

(Changmin)










自分の涙が
耳の中に零れて目が覚めた。



「……ぁ…」

しばし天井を見つめ

「……最悪…」

額に腕を置き
胸が締め付けられる苦しさに大きくため息をついた。



付き合う前の夢を見るなんて。


すっかり忘れていた感情まで鮮明に思い出されて、疲労感が半端無い。

「…やば…スーツ…」

ノロノロ起き上がれば時計は明け方。
ジャケットは椅子に掛けたまま。
そのまま布団へ寝転んだからズボンはシワだらけ。

「…後でプレスかけなきゃ…」

酒臭い息を吐き出し頭をかき、シャワーでも浴びようかと立ち上がった僕の視界に、テーブルにあった携帯が点滅していた。


途端に浮かぶのはユノの顔。


毎日メールもラインも腐る程来る。
なのになんでそう思うのか。

自分が嫌になる。


じっと見つめた後
視線を外し
何も無かったように携帯のすぐ横にあった食べ残しの弁当をゴミ箱に投げ入れ
キッチンで水を飲み
服を脱いだ。


冷んやりとした風呂場でシャワーが水からお湯に変わるのをぼんやりと眺める。


どうしてあんなところで会っちゃったんだろう。

ため息が止まらない。


「……メールどうしよう…」


ご飯?
飲むだって?

なんの話をするんだよ。


昔話なんて最悪の最後を迎えた僕たちが
何を懐かしむのか。


「……あの時はごめんなさい」って言えば気が済むのだろうか。


それとも文句や愚痴の一つも言いたいのかな。

でも
そんな奴を誘うとも思えない。

あのユノだから

きっと…
…絶対そんなことはしない。



もしかしたら
この何年かで嫌な奴になっていて仕返しでもしたいのだろうか?

酷いことをしたんだ。


遠回しに嫌味を言われて…それから…


「………そんなことは…………ないだろうなぁ…」


あのユノが。


僕の携帯から連絡先を奪った時に見せた笑みにそんな影は無かった。

純粋に僕に会えた喜びが見て取れたから。
余計胸が痛むんだ。


「……だからどんな話題を話すんだよっ」

吐き捨てるように言いながらガシガシと頭をかいてから

ハッと
その手が止まる。



……なんだよ。



震えるため息が浴室に響き
湯気で霞んだ鏡の奥で
自分が情けない顔をしていた。



…………なんで僕は、会う前提の話をしているんだろう。


会わない選択だってあるのに。



「……馬鹿じゃね」


強く出したお湯の中に頭を突っ込んで
僕は目を瞑った。












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