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All Mine 8

(Changmin)









湯船の中でうとうととしていた僕は
遠く部屋で鳴る携帯の音に目が開いた。


お風呂のパネルを見ると5時台で

こんな時間に電話がかかってくるなんて
そうそう無い。

「…ぁ」

お母さんっ?!

一人で暮らす母親の顔を思い出し
ヒヤリとしながら浴槽を出て

慌ててテーブルにある携帯を耳に当てたら

「あ…チャンミン?寝てた?」って
呑気な声に固まってしまった。




「……ユノ…」

「そう。お前も朝まで飲んでたの?」





……はぁ。



深いため息をついて片手で顔を覆ってしまう。





慌ててキッチンに来たから大して拭きもせず
濡れたままの僕の曲げた肘からポタポタと流れる雫が早いリズムで耳に聞こえる。

飲んでたのって。
僕が家に帰るのを知っていてよく言えるよな。

ってか。
酔ってんだろ。


「…いえ………寝てましたけど…」

呆れ気味の声に
息を飲み込む音がして。



「…………え…ごめん…」


沈黙の後
ユノの小さな謝罪が聞こえた。



「……なんですか?」

ため息と共に僕は携帯を肩で挟み
握っていたタオルで体を拭きながらぶっきら棒に声をかけた。

「いや…あのさ……いつ会えるかなぁーって思ってさ」
「……」

言われて手が止まる。

そりゃそうだよな。
他に用事がない。

つい数時間前に僕に会って連絡先を奪い取り、ご飯に誘われて。
他の要件があるはずない。


「……ぁ…それ…」
「いやぁ、せっかくなら早い方がいいかな…なんて思ってさ。ごめんな、こんな時間に。メールしたんだけど見たかな?返事がなくて…俺今帰って来たとこだったから…ついかけちゃえって。俺酔ってるな、ほんとごめん…」

「いえ…」


……ユノはなんで僕なんかに会いたいのだろう。


聞きたいけれど、やだな。

どうでもいい理由だったら良いけれど。
あの時のことがユノの口から出て来る恐怖が胸を掠める。

「いつならいい?」

相変わらずのテンションでユノの声が聞こえた。

思わず目を眇めて何もついていないTV を見つめる。
情けない裸の僕がいる。
こんな僕に、ユノはなんで会いたいんだろう。

「今決めなきゃダメですか?」
「いや、今っていうか…仕事忙しいの?」
「はぁ…まぁ…」
「何やってるの?」
「IT関係で…」
「チャンミンらしいな。お前昔からそういうの得意だったよな」
「…まぁ」

そこまで返事をしたら
ユノが黙ってしまった。

嫌がっているのを多少感じ取っただろうか。

だってユノが悪い。
断るにも
言い訳を沢山自分の中で考えて、どう突っ込まれても良いようにシミュレーションして、それから覚悟して連絡するのに
こんなすぐに、しかも予想外な不意打ちをかけて来るんだ。


流石にちょっと悪かったかなと思いながらも、これでいいかと苦笑して電話を切ろうとした僕に、ユノは「…ぁ…」って声を上げた。


「…あ…ねぇ……チャンミンがいい日でいいから。もちろん仕事帰りでもいい」

「…え」

「お前の都合に合わせる。いつでもいいから言って」


……ずるい。

そう思っても口に出来ず
どう答えようかと上手い答えもすぐに浮かばず、天井を見上げた。


「いや……まだ来週にならないと分からないから…」
「来週?月曜日なら分かるの?」
「いや…えっと…多分…」
「じゃあまた月曜日に電話していいかな?」

あまりにも矢継ぎ早な言葉に今度はきりきりと胸が痛み出す。

もう。
本当にいつも自分のペースで
ユノは僕を振り回す。


…なんで?

なんでこんなに必死になるのか分からない。


普通さぁ、嫌がっていそうな空気を読むもんじゃない?
いや、ユノは昔からそんなの御構い無しだった所が無かったわけじゃないけれど。
こんな状況で…


「……ユノ…あのさ………なんで僕なんかに会いたいの?」

口から出た言葉に
自分で「やっちまった」って思ったけれど。

もうこんなひつこいユノに聞かないわけにはいかないだろ?


最悪ここで終わらせても。


そう考えた僕に。
ユノは「それは…」って言葉を繋げた。


「俺はね…さっき偶然にもお前に会えて、素直に…本当に嬉しかったんだ。……こんな理由じゃ駄目かな?」
「……」
「……ただ単に酒でも飲んで話がしたいだけだよ。それだけ。……嫌がんないでよチャンミナ。……でも…ごめんな…俺やっぱり酔ってるな…」
「…いえ…」
「ごめん……えっと……起こしてごめん…来週…またメールするから都合のいい時に返事して…」
「……」

連絡方法を電話からメールにダウンしてきた。
ゴニョゴニョと鼻にかかる声と携帯を握り直した音と、座り直したのかソファかベッドの軋む音。


さすがにこんな状況で酔いが覚めてきたらしく
苦笑気味に謝るのユノの声を聞いて罪悪感が広がるけれど
もう僕は「はい」と言って
そのあと何も返事をせずにフェードアウトすればいいんだ。


一生会うつもりはなかったから。
これでいいのに。


なのに


僕は今こんなユノを前に別の事を考えている。


「じゃあ…ユノ…」


「嬉しかった」と聞いて喜ぶ自分を感じ
全てを突っぱねることが出来ない僕はなんなのだろうな。


「じゃあ…どこかで飲みましょうか…仕事のスケ見ないとなんで、今すぐは決められないのですが…」

僕はぼそぼそ呟きながら胸に手を当て
感じる痛みを冷えた体のせいにした。













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- 6 Comments

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2018/01/18 (Thu) 21:04 | REPLY |   

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2018/01/18 (Thu) 23:23 | REPLY |   

フィオナ  

はぁ~☆

くるりんさんのお話・世界観本当~に大好きです♪
続き気になる~♪
ある程度溜めてから読みたいけど我慢出来ません(>_< )
もしも店頭で売ってたら全作品買います(´▽`)
更新楽しみにしてます☆

2018/01/19 (Fri) 12:34 | REPLY |   

くるりん@  

Re: じれったーい!

ゆ*まさま

今回ねぇ、ただただこの曖昧な関係が書きたかったんだよねw
ずっとじれったいです( ̄▽ ̄)w

2018/01/19 (Fri) 15:17 | REPLY |   

くるりん@  

Re: タイトルなし

み*さま

やっぱりそう思う?私もあれがベストなタイトルだとは思うんだけどね。
でもやっぱり使うのは躊躇った。
ここってビギの集まりだから東方神起の曲はその人それぞれに印象や想いも違うと思ってね、極力使わないようにしているんだ。しかもこのタイトルは歌い直して出たばっかだし。←ここが一番ネック。

2018/01/19 (Fri) 15:25 | REPLY |   

くるりん@  

Re: はぁ~☆

フィ*ナさま

私のお話を大好きなんて
ありがとうございます(ノД`)・゜・。

……私と萌えドコ一緒ですね(笑)

そう。私のお話まとめ読みが本当はお勧めなんです。(一回でUPするとこまではまとめて書いて修正かけているので流れが出来ているので)
お金出すなんてレベルじゃないですよぉ…orz
拙いお話のオンパレードですが、いつでもふらっと読みに来てください♡

2018/01/19 (Fri) 16:00 | REPLY |   

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