SS「雨のゆくえ」


気がついた方、こんにちは。
久々ノーマルSS、予告なしUPです。

こんなに更新頻度が低いブログなのに「よくチェックしてます」と言ってくれた皆さんへ。
覗いてくれた方へのお礼のプレゼントヾ(≧▽≦)ノ

でも大ど定番、微妙で盛り上がり無しなお話なんでw
おヒマな方だけ付き合ってくださいませ。


それでは



ユノ(ノンケ)×チャンミン(長年片想い燻らせ中)
ノンケに恋をすると面倒くさい話。








「雨のゆくえ」






(Changmin)








この時期特有の
湿った灰色の雲に押し込められて怠い空気を纏う街。
今日は小雨が降る予報。

低く騒めく大通りの洒落た店先のオーニング下の席で
僕はユノのフラれた話を聞く。


長い付き合い。
色々知ってる。
今回のは何番目の彼女だったかなぁ。

商社のエリート街道突き進むユノは海外出張が多い。
容姿は高レベル。
優しく社交性に飛んでいるし金回りもいい。
そんな男を女が放っておくわけがない。

それなりにちゃんと自分で選んだ女性と付き合ってはいるみたいだけれど、忙しい身。
やっぱり長期で会わなくなればどんなに好き同士でも上手くいかなくなってしまうみたいで、振ったり振られたり、なかなか続かない。

そんな中僕は男だからか友達だからか長い付き合いだからか、その辺が結構さっぱりと、ユノの行動も知り尽くしているから付かず離れず相手に出来て、ユノにとっても気の置けない友人として都合がいいらしい。


たしかに
その辺の奴より僕達は仲がいいと思ってる。

だからこそ。

いい事も悪い事もあるんだよね。


僕が中学生の頃から違う感情を抱いているなんて
素直で純なノンケのユノが知るわけがない。


「ほんっとさぁ仕事だよ?仕事で海外出張が続いてさ。それで寂しいとか言われたら俺どうすればいいの?」
「ちゃんと連絡した?」
「仕事の合間にね」
「合間ってさぁ1週間に一度とかじゃないの?僕にするのと変わらないんじゃない?」
「え…だって仕事だよ?俺だって疲れてんだよ。ぶーたれる女のご機嫌とりなんて。それに仕事してこそ好きな相手も幸せに出来るっていうか…」
「ユノはさぁいつも目の前に全力だからそうなるんでしょ?やりがいのある仕事なのは分かるけど…彼女はなかなかそうは思ってくれないんじゃない?」
「お前は分かってくれるじゃん?」

口を尖らせジュースを口にする。


「ああ…まぁね…」


僕は頷きカップを手に取り


……ほらきた。

都合がいい。


けどさ。


優越感。




「…ユノの言ってること分かるけど…まぁ…お前はそういう奴だし…」

その肯定を促したいような視線に、僕は自分の気持ちを誤魔化し気味に呆れた表情を作る。




「あーほんと分かってくれるのお前だけだよ。ああもうっお前が女だったら良かったのにー」

そう言って勢いよく飲んだグラスをテーブルに置いて、ユノは大きくため息をつく。
その姿を眺め同じようにため息をつく僕は今ユノにどう映っているのだろうか。

いや、何の疑問?

幼馴染の親友。
そう、それそれ。
知ってる。

だけど本当はそうなんだけどそうじゃない。

僕だけの、秘密。



ずっとずっとユノが好きな僕は
ずっと口に出来ない思いを胸の奥に閉じ込めて
それと引き換えに
ずっと一緒いる。

これがどんなに大変で苦しい事か。
ユノには一生分からないんだろうなぁ。

こんなの本人に言ってもしょうがないから
色々諦めて
色々開き直って
今の僕はいる。


目の前でヘコみ項垂れている姿を複雑な気持ちで眺め
だけど口にしたコーヒーのカップを唇に当て
少し笑みにも歪む。


だけどさ。

わざわざ呼び出され、誰よりも気を許しこうやって親しく愚痴や本音を晒してくれる今みたいな事があると、僕のその胸の痛みやもどかしさは消えてしまうんだ。

……あーあ。
安いよね、僕って。


「ユノ。こんな僕みたいな物分かりのいい奴いないだろ?有り難く思え」
「いないよ。俺お前が女なら今頃とっくに結婚してる」
「そりゃどーも」

口では素っ気なく。
だけど胸から背中まで貫く何か。

それ結構痛いんだけどな。
よく口にするけどさ、ユノは。


僕からは冗談でも言ったことがなかった言葉だけれど
そうたびたび言われたらさぁ。
なんとも言えない傷を受けるんだ。

分かんないだろ?
アホユノ。

分かってなくて口にするからタチが悪い。
いや、そう受けとる僕が本当はダメなんだけど。


「…なんだよ?俺お前の事好きだけど?」

僕の表情にユノの口が尖るから
分かりやすく大きくため息をついてみせた。

「……はぁ…そうですか。そりゃどうも」
「なに?なんだよそれ。俺ほんとお前とはお似合いだと思ってるよ」
「はいはい」
「性格いいし」
「お互いね?」
「俺と気があうし」
「腐れ縁長いですから」
「本気だよ?」
「はい、そーですか。ありがとうございました」
「なんだよつれない」

「……つれなくないよ」


不貞腐れたユノを見て
僕はまた心の中で諦めのため息を吐き


それから笑顔を作る。


「ユノさぁ?……女じゃなくて申し訳ないけど…まぁ僕でよかったらいつでもグチぐらい聞いてやるからさ。そんな顔すんな」



僕達の関係が
どんな形であれずっと続いていく。


僕の一番の願い。


胸の痛みは
その願いへの代償。

もう慣れた。


「ユノ次の彼女早く作れ……新しい彼女が出来るまで僕でよかったらまた遊んで…」



「……お前酷いよ…」


慰めの言葉にユノは目を眇め僕を見た。

「…え…」


「俺……あと何回お前に振られればいいの?」

「……」



何言っているのか。


意味が分からず口を開けた僕にユノは眉を下げる。



「お前昔から俺が何度好きって言ってるか知ってる?俺はぐらかされて傷つきまくりなんだけど」


続いた言葉に瞳も見開いてしまう。


「……だって…彼女…」

「お前が毎回言うんだろ?早く作れって。俺が好きだって言った後はスパッと血も涙も無く素っ気なく振って、呆れた顔して彼女がいた方がいいっていうから…」



「…………………はい?」



「上手くいかないって何度も言っているのにさぁ…お前話ちゃんと聞いてくれなくて…」


「……いや……待って……なに言ってんの…」


訳がわからない。


「なにって……俺はお前が好きだってずーっと長いこと言ってんのに…いい加減さぁ…」

「いやちょっと、待っ…」

「どうして俺じゃダメなんだ?…自分は恋人作んないくせに。今もフリーだろ?…」

「いやっ、そのっ、ち、ちょっとっ?!」

「性別関係なくなんでも来いっていつも言ってんじゃんか。なのになんで?冗談?俺は大きく対象外なの?……それだったらかなりショッ…」


「うわーーーーーーーーっ」


お店の人どころか
目の前を歩く通行人が振り返るほどの大声をあげて僕は席を立つ。


「……」


……ちょっと待て。


テーブルに両手をついて
勢いで揺れるカップの中身を暫く眺めてしまう。


僕は今何を耳にしているのだろう。

顔どころか全身の末端が痺れる程血が上り詰め
冷静に考えたいのに頭が真っ白で何も浮かばない。

ユノは何を言っている?

えっと…


興奮と動揺と僕が考える予想に、見つめたカップが急に滲んでくる。
「マズい泣きそうだ」と思ったときには白いテーブルクロスへパタパタと音がして丸い染みができていく。



「……ぁ…」

と不意にユノが空を仰いだ。


「……雨だね…」

そう呟いてから僕を見る。


「お前が泣くから降ってきたじゃんか」

「泣いてないよ」

「そう?」

「雨だけど」


僕が顔を背け通りに目をやると
今日は朝から天気予報で言っていた所為か
色とりどりの傘があちこちで開いていく。


「そっかぁ雨だね」

ユノはふふっと口の端を引き上げ財布を取り出し立ち上がると、店内に手を挙げた。



思ったよりも大きめの粒に空へ顔を向け手のひらで受けてみる。

涙の跡が消えて丁度いいけれど。
……恥ずかしい。
なんで泣いたんだよ僕は。

理由すら言っていないのにユノのあの含み笑い。

色々一発でバレたんじゃないのか?


「お前傘持ってきた?」

僕の動揺を知ってかしらずかユノは呑気にそんな事を聞いてくるからすぐに顔を逸らした。

「…持ってきた」
「やっぱりチャンミンだなぁ。勿論俺が持ってきてない事も知ってるよね」
「うるさい。知ってたって二本も持ってくるか」
「だよなぁ」

ユノは近づいてきた店員に伝票とお金を渡すと頷くけれど、僕は恥ずかしさにその姿を視界の端にかろうじて入れるだけで、逃げ出したいのをこらえるのに精一杯だ。


「チャンミン…じゃあさぁここから駅までさぁ…」

お釣りを持ってきた店員にお礼を言うと、ユノはもう一度僕に向く。

「相合傘してお前がなんで泣いてんのか俺にこっそり教えて?」

「アホか」

僕は速攻吐き捨てるようにいうと顔を拭い、それでもいそいそとカバンに手を突っ込んで折り畳み傘を引っ張り出した。

あまりにもしたり顔で揶揄い気味のユノにムカつき
そんなユノに今まで何も気付かず拗れた感情を向けていた自分に苛立ちが湧き上がってくる。


「……ユノ、これから二人で大反省会だから」

「え?!なんで怒ってんの?!俺も?」

「ほらもう 行くからっ。ユノっ相合傘したいんじゃないの?」

僕は傘をさすとユノを呼ぶだけ呼んだあと、相合傘なんて自ら口にした恥ずかしさで、耳まで赤くなるのを感じながら前を向いて歩き出した。












Fln




------------------------
ここまでお付き合い頂き有難うございました。
いかがでしたか?
中盤のユノの告白だけが書きたくて、無理矢理一話にした話でしたw

これAll Mineの別バージョンで考えていた二人の関係でした。
こんな感じもありかなと。
ずっと片思いだと思っていたけど実は向こうも好きだったりするネタは私好きなんだよねぇ(//∇//)

ということでまたそのうち╰(*´︶`*)╯♡






読んで貰えて幸せ♡ありがとうございます。
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13 Comments

723621mam  

No title

大反省会♡

2018/07/02 (Mon) 20:25 | REPLY |   

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2018/07/02 (Mon) 20:34 | REPLY |   

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2018/07/02 (Mon) 21:58 | REPLY |   

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2018/07/02 (Mon) 22:08 | REPLY |   

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2018/07/02 (Mon) 23:17 | REPLY |   

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2018/07/02 (Mon) 23:50 | REPLY |   

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2018/07/03 (Tue) 05:00 | REPLY |   

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2018/07/04 (Wed) 23:17 | REPLY |   

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2018/07/05 (Thu) 14:49 | REPLY |   

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2018/07/06 (Fri) 11:01 | REPLY |   

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2018/07/07 (Sat) 01:30 | REPLY |   

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2018/07/08 (Sun) 22:34 | REPLY |   

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2018/07/14 (Sat) 17:25 | REPLY |   

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