KARUMONO 1




都会の隙間に存在する、現在と繋がった異世界に生きる人達のお話です。
お暇でしたらお付き合いを。
※初めてカルモノを読む方は注意する地雷があるので一つ前のお知らせを読んでくださいね。












「karumono episode0」






(Yunho)













寂しいなんて


遥か遥か昔の事はもう忘れたけれど


この自分の記憶がある限りでは

思ったことが無かった。







寂しいって

そもそも


どんなモノなのかも
本当のところは分からなかったし

知りたいとも思わなかったからかもしれない。













「ユノっ…やっと見つけた…」





大きな街の雑踏の声がふっと沈んだ路地裏



初めて見る顔なのに
そいつは何故か俺の名前を呼び


目の前に立つと


顔を覗き込むようにほんの少し頭を下げて
笑いかけてきた。






「……」




綺麗な顔




それだけ思って

視線を外すと
その横をすり抜けた。





「ああっ、待ってっ」



そいつの声と共に

手に感じた温もりに


驚く。







誰かが

俺の手を

掴んで
握りしめるなんて。







前は



いつだったろう。








「行かないでよ、ずっと探してたんだ」

そう言うと
そいつは恥ずかし気も無く
俺の手を大事そうに両手で包んだ。


「やっとユノに会えた。いつもすぐどこかに消えちゃうんだ。…あ…僕はチャンミンって言うんです。知らないよね?……ねぇ、ユノ。僕をそばにおいて」


にっこり笑うその顔は

俺を戸惑わせるのに十分で。





「…離せ」

腕を引いて睨み付けると



「いやだ」

って、少し口を尖らせて
両手で掴んだ俺の手を自分に引き寄せる。

「ユノと一緒にいたい…」




大きな瞳を潤ませて
その少し眇めた表情を見て


久しぶりに感じる、困惑。





「お前何者だ?…一緒にって…」

「だって、ユノ……寂しいでしょ?」


「は?…なにを…言って…?」

「ねぇ。僕…そばにいるから…」


理解が出来ない勝手な言葉を並べて微笑む奴に


ただ動揺する。










「死にたいのか…?」


俺は堪えきれず舌打ちで逃げると

空いていた片手をぐっと握りしめ
その後指先をさらりとこすり合わせた。

手の中でゆらゆらと陽炎が起こり
ふっと手首を返した時には
掌に浮かんだ黒く長い鎌を握り締める。



「早く手を離せ…」



大きく振り上げて

言葉を降らせ


そのまま目の前の

表情一つ変えず
俺の鎌に視線を向けていた奴の首元に下ろしていく。



「…俺はお前を知らない……逃げるなら、今のうちだ…」




そうつぶやいた俺に


チャンミンは



ゆっくりこちらを向いた。





「ユノの陽炎は綺麗。…大好き。僕は…ユノをずっと知ってる…」





そう言って片手を

何のためらいも無く鎌に近づけた。



「おまえっ!?」



ジュっと

嫌な音がして


慌てて鎌を消した後は



鎌を掴んだ指先の形のまま
手を宙に浮かせたチャンミンが

俺を見て瞳を細め



「そばに置いて。僕を愛して」


そう言って
指の痛みなど感じていないように

微笑んだ。










指先の怪我が治るまで、という言い訳じみた理由を言って
野良猫のように部屋に住み着いたチャンミンは


部屋に上がり込んだ最初の日から
ベッドに潜り込んできて

俺の背中はいつしか他人の温もりを覚えた。




それから

その身体を味わう迄に



時間はかからない。













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くるりん@の大好きなただただ切ない暗い世界(笑)
前回の連載時も思ったのですが
普通の恋愛進行じゃないのでほんと皆さんが楽しいか微妙…orz
気に入ったらお付き合いをよろしくお願いします。

明日は早速鍵記事。
パスワードはいつものアルバムTIMEの隠し数字12コ。
読まなくても全然大丈夫。全くもってヤッてるだけw



読んで貰えて幸せ( *´艸`)♡ありがとうございました!
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5 Comments

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2018/07/24 (Tue) 20:42 | REPLY |   

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2018/07/24 (Tue) 23:19 | REPLY |   

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2018/07/24 (Tue) 23:44 | REPLY |   

くるりん@  

Re: タイトルなし

ゆか*ろうさま

これねぇ前も言ったけどほんと人気ないからw
私のお話の中では一番(;´Д`)
でも何度も読んで凄くはまって嬉しいなぁ。
多分みんなが望んでいるお話と私が萌えて書いている箇所がこの話は本当にズレているからね。
台詞もいくつか変えて前より分かりやすくしてあるんだ。
「ん?こうなのか?!」ってこの話の予想を立てられるように少ししたつもり。
それでもむずかしいかな…orz
そう「ぐるぐる回って終わらない。」覚えてるよ。
だけどね前と違うセリフの為に以前考えていたラストとちょっと着地点が変わるかも。

2018/07/25 (Wed) 18:02 | REPLY |   

くるりん@  

Re: タイトルなし

ゆ*まさま

そうユノはヘビースモーカーです。
舘ひろしwwwwwwwwwww
めっちゃ笑った。分厚い感じだね。

妄想が固定しちゃうので書き手があんまりイマージを言うのはあれなんだけど
ナツメカズキさんのMODSって凄く好きなBL漫画がみんな煙草吸っててね、口にもっていく仕草や指に挟んだ姿がカッコよくてね。
煙草の吸い方に関してだけなんだけどそういうイメージなんだ。
お暇があったら画像見てみてね。

2018/07/25 (Wed) 18:30 | REPLY |   

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