スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

KARUMONO 3


(U-Know)












幾つも季節が過ぎて

火傷も治ったというのに
素知らぬ顔で住み着いたチャンミンは

俺の家をすっかり自分好みの空間に変え



いつの間にか


その時間の流れが

居心地よく感じてしまう自分がいた。








「ユノはね、寂しがり屋さんだから僕がいつもそばにいてあげる」


ソファで自分の吐き出した紫煙を意味も無く目で追っていると


隣に座ったチャンミンが

俺に腕を絡ませ
そう言いながら

寄りかかってきた。






「…は?……俺のどこが……」


タバコを離し口を開けた俺に
チャンミンはクスクスと笑う。


「ユノが気付かないだけだよ。僕には分かる。寂しいよーっていつも叫んでる」

「なんだよ…それは…」

「んー?いいのっ。僕さえ分かっていればいいんだからさっ。僕はユノの虜なのに」

クスクス笑う声が止まらないから

俺はそのまま顎を掴んで
キスを落とした。





「…さて、とっ」


唇が離れた途端チャンミンは

そのまま立ち上がって息を一つつく。



「じゃあ…ちょっと行って来ようかな…」

「どこに…?」


見上げた俺に
チャンミンは振り返って
微笑んだ。



いつもの
少し片目を眇めた

優しい笑顔に


何故か俺は

毎回安堵する。





「うん、バイト。いつものヤツだよ。お願いされたんだ。……ほらもうすぐ旅行に行くじゃない?僕も少しはお小遣い持ちたいし…」

「金なんてまだある。俺の口座から好きなだけ出せばいい…」


「うーんっ、違うんだよユノっ」


そう言ってチャンミンはにっこりと笑った。


「僕ね、自分の稼いだお金でユノと僕でお揃いの……ユノが寂しくないように、身につける何かを買いたいんだ」


それから可笑しそうに
瞳を細めると



俺が自分で気付かないうちに
チャンミンの腕へ伸ばし掴んでた手に


「ほらね…寂しがりやさんに買ってあげるよ」


そう口元を引き上げて言うと


チュッと

ワザとチープな音で
キスをした。















その姿を追い求め、走った足は

限界を超えてジンジンと感覚が無くなり


自分の吐き出す荒い呼吸が

夜の闇に吸い込まれていく。





アスファルトに飛び散った血が
遠くの街灯の光を受けて

艶やかに

少しずつ
筋を作っていく。




「……チャ…ン……ミ…」



掠れた声が

震える息と共に


横たわった身体に落ちる。




足元に

さっきまで俺に微笑みかけて

じゃれていた体。



動く気配もなく

静かな塊。






俺は





膝をついて

うつ伏せの身体を起こし


最後の

消えていく熱を
破片すら逃さないように
抱きしめた。





熱い揺れる息だけが胸から突き上げ

言葉も出ない。



ただ頭に浮かぶのは

最後に見せた
笑顔だけで。






どれぐらいそうやっていたんだろう。






遠くの道で

不意に鳴った
けたたましいクラクションの音で
俺はよろよろと顔を上げた。








そうだ






……思い出した。








昔の記憶。




お前の

笑顔を
声を

体温を

蘇らせる方法。









「…お前は…もっと…生きるべきだ…」

何も返さない唇をなぞって
自分でも驚くぐらいの

震えた声が空気に溶ける。





「俺は……お前と出会うまで……ずっと…思っていたんだ…」



ガタガタと揺れが止まらない指を動かし

血で固まってしまった前髪を
ぎこちない手つきで

そっと避けてやる。



「…俺は…思ってた……もういい加減…生きるのが嫌になったな、って…」











それから


そっと包み込むように

抱き上げた。






「だから俺はもう……一人でこの先も、いつ終わるか分からない長い時間を過ごしていくのは……自信も…なにより理由も無い…」



……これが寂しいって言うのだろうか。

なあ、教えろよ…チャンミン。





胸元の

熱を持たない

人形のようなその頭に
頬を寄せてから



「……俺の命をやるよ」


肌に感じたその髪は

もうチャンミンの香りも無く

錆びたの冷たい匂い。



「お前、俺の傍にいるって言ったよな?だったらさ……これから俺が消えるまでの…ほんの少しの間だから……」


呟きながら額にキスを落とす。




「最後まで…そばにいてくれよ」



何の言葉も返さないその顔に

笑いかけて


俺は歩き出した。














-------------------------------------
それでは明日からいよいよ「KARUMONO」本編。
気に入った方だけこの先もお付き合いを(*ノωノ)



読んで貰えて幸せ( *´艸`)♡ありがとうございました!
頑張れるのでポチポチお願いします!
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

- 6 Comments

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/07/26 (Thu) 22:45 | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/07/26 (Thu) 23:17 | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/07/27 (Fri) 01:14 | REPLY |   

くるりん@  

Re: タイトルなし

ゆ*まさま

中学から通っていた学校が渋谷と表参道両方利用駅だったから芸能人はいっぱい会ってるけど、エレベーターの扉が開いたら肩で風切って舘ひろしが入ってきた時の衝撃は凄かったよwwwwwwwいまだに覚えてるもんw
あの頃で既にダンディで友達と固まってキャーも言えなかった(笑)

ユノもチャンミンもまだダンディって外観じゃないしね。細いしね。
30年後…母方みんな70代前半で亡くなっているから私多分死んでるわー(ノД`)・゜・。
二人が歳とっていつかはやりそうな8万位のディナーショーは行くつもりなんだけど(笑)

2018/07/27 (Fri) 15:44 | REPLY |   

くるりん@  

Re: No title

h*ruさま

こんにちは、はじめまして!
そしていつもありがとうございます♡
私のブログの中でも一番マニアックなお話の時に大好きなんてありがとうございます(*ノωノ)
お暇でしたらこの先もお付き合いをお願いしますね(*´Д`)

2018/07/27 (Fri) 15:50 | REPLY |   

くるりん@  

Re: 楽しみにしていました。

ヤ*さま

お待たせしましたm(__)m何年ぶりだよのカルモノ。
書くとお約束してから大分時間がたってしまいました(;´Д`)
そして好きだ好きだと自分でいいながら終わらせられないっていうね…orz←だめだめ。
進展してんだかよく分からない程微々たる進みですが、確実に書き直して数話分プラスしてあります。
また同じものの読み返しになりますが、「あーこんな感じだった」と楽しんで貰えたら嬉しいです♡
こちらこそよろしくお願いいたします(*ノωノ)

2018/07/27 (Fri) 15:56 | REPLY |   

Post a comment

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。