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KARUMONO 4







「一つ目の願いは何?」





その命と引き換えに
願い事は三つ。








…………蘇らせて欲しい。



チャンミンを。




もう一度会いたい。


……消えてしまったあの時の。






「記憶はどうする?」


……それは、二つ目になるのか?


「そう」


……ならいい。





「蘇らせても記憶が無いのなら、お前の望む奴じゃ無いかもしれない」




……なんとか出来ないか考える。チャンミンがチャンミンなら。








「他は?」



……この願いは万能?



「質問の答えじゃ無い」



……そうか。




……後はとっておくよ。


ありがとう。









「では。目を閉じて10数え振り返るがいい」













「KARUMONO」







(Changmin)










「……悪いな。俺のだ」



そう言って
へたり込んでいた僕の腕を掴むと


そいつはこちらを見て切れ長の目を細めた後
僕を取り囲んだ沢山の鬼を見渡した。







どうしてこんな状況になったのか分からない。



僕は朝から鬼を狩るために賑わった街中を走り回っていた。


僕の仕事。カルモノ。

「狩りをするもの」
そう呼ばれている。


僕達が住む世界は現実と異世界の境が曖昧で、その隙間から異形のものがよく姿を現わす。
人間を驚かすぐらいなら問題ないけれど、その中で「鬼」と言われるものは人間の魂を喰らい、現実の世界を脅かす。
その脅かすものをそれぞれ手にした賢者の石を頼りに狩り、世界の歪みを最小限に抑えるのが僕の仕事だ。

鬼といっても種類は様々で動物のようなものもいれば人の形をしているものもいる。

今日はこれまでにない程の石の反応に狩を遂行していたけれど、体力も限界でとうとう静寂の路地裏で沢山の鬼に囲まれてしまった。

「狩りをするもの」の魂は美味しいらしい。
鬼の気は穢れが無い「狩りをするもの」の魂を食らって浄化を望んでいるって先輩が言っていた。

だけどなんでこんなにいるんだ?

後から後から湧いて出て来る奴らにとうとう逃げ切れなくなり、上がらない足が縺れて豪快に転んだ。


そんな絶体絶命の僕の前にいきなり現れたのがこの男で、しかもこの僕を「俺の」なんて口にする。

スラリと高い身長、黒いシャツにジーンズ。
整った横顔はなんの色も無く絵画の中に出てくる神話の神様のようだ。


「……あの…」
「少し待ってろ。片付ける」
「でもこんなに沢山の鬼は無茶ですっ」


尻をついたまま地面に座り込んでいた僕に、その人はわざわざこちらを向いたかと思うと鼻で笑った。




「そうだな…30秒」




それから息を吐くと、パンッと大きく手を叩く。




その途端
合わせた掌から



ゆるり、と


黒い陽炎が上がった。





……?!





「…ぁつっ!」


ポケットに入っていた石が陽炎に反応してか異常に熱くなり、僕は驚いて目の前の男を凝視する。




これは


もしかして。




声も出ずに見上げた目の前で、男は手を滑らせて左右に広げる。
その途端陽炎が細く長くゆらゆらと集まって形を作り、歪曲した刃が先端に現れる。


ゆっくりと作られていく黒い鎌。



コイツ



「オヌ」だ。





鬼の中でも最高峰に位置する、最強の力を持つとされている化け物。
現実にいるのかも曖昧で都市伝説にさえなっている鬼が、今僕の目の前にいる。



徐々に輪郭がハッキリと浮かび上がるオヌの鎌は


……凄く怖くて。


凄く綺麗な。



あまりにも見事な
凄まじい力で作り出された鎌に


僕はこんな時に
こんな場面で

つい

恍惚の溜息を漏らしてしまった。



「……綺麗に思うか?」



そいつは僕の溜息に気づいて振り返ると口の端を引き上げそう言ったから、慌てて視線を反らした姿にクスリと笑ってきた。



「さて……後15秒になった」


そいつは他人事のようにボソリと呟くと

黒い鎌を片手でゆるりと後方に引き上げ
力も入れずに軽々と鬼に向け薙いだ。




フワリと

風が起きて。



目の前の鬼が空気に溶けるように

消えた。









僕はもう、言葉も無くて。

綺麗なんてさっきの思いが霞み


圧倒的な強さへ
急速に湧き上がる、恐さ。



こんなの


見たことがない。






……どうしよう。


「オヌも鬼だから狩る対象」

そうは思うのだけれど
新米の「狩るもの」がこんな力のあるオヌを狩れる筈がない。

……なんてものに出会ってしまったんだろう。
逃げなきゃいけない。

頭に浮かぶのはその言葉だけで身体は恐怖に竦みあがる。
上げようと思った腰が全く上がらず、黒い鎌が彼の手から空気に溶けるように消え、辺りを見回した後つま先がこちらを向いて、一歩が踏み出された。

それからゆっくり片膝をついて僕に顔を近づける迄
僕はただ震え、指先一つ動かなかった。





「……チャンミン」



そっと名前を呼びながら僕の頬に片手を伸ばす。




……え?




僕の名前をなんで知っているんだ?




「……チャンミン…」

もう一度呼んでそっと指で撫でられる。



初めて会った
しかもこの世から狩るべきオヌなのに。






……?!





「…んっ…っ!!」




ハッと気が付いた時には既に

僕はこの男から噛みつくようなキスを落とされていた。













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それでは本編。
鬼を狩るカルモノとして蘇ったチャンミンと鬼のユノのお話。
切なーい、全くホンワカしないお話なのでw
気に入った方だけよろしくお願いいたしますm(__)m



読んで貰えて幸せ( *´艸`)♡ありがとうございました!
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- 2 Comments

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2018/07/27 (Fri) 21:14 | REPLY |   

くるりん@  

Re: タイトルなし

ゆ*まさま

カルモノってユノの方がチャンミンの為に大事なことは何も話さないで消えようとしているから、意思疎通がある意味全く出来ていない交わらない二人なんだよねぇ。
ユノがチャンミンの事好きで好きで、大事で。そんな話。
だけどepisode 0のチャンミンのセリフの端々を記憶してて本編読んでいくと、もう一枚裏になんか隠れてますよぉーってのが上手く書けなくて数年放置www

2018/07/28 (Sat) 17:18 | REPLY |   

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