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KARUMONO 8



(U-Know)











夢の中で

チャンミンが俺を呼ぶ。







……ユノ


好きだよ。




ううん


愛してる。




ユノ、抱き締めて

僕を抱いて。






伸ばされた手が



頬に触れて

身体に触れる


その温もり。











僕だけを見てよ。




寄せられるその笑顔に
胸が熱くなる。





ユノっ、そんな顔しないっ。




ほらっ、僕だけには笑えって。




僕だけを好きでいればいい。





僕はさ



……本当にあなたの虜なんだ。





ユノ………












……………!!





「……っ…レラ」




「うあぁっ!ユノっ!!」


浅い眠りから窓際に気配を感じて目を開けると、離れた壁際で今一歩目をそっと繰り出そうとしていた奴が視界に入った。

俺は小さくため息をつくと、横になったまま鎌を出しフイっと手首を返しながらその首に添わせていく。
ユラリと鎌の残像がその頬を撫でて、そいつは小さく声を上げるとこっちに視線を向けたから、俺はベッドから起き上りゆっくり近づくとその胸元を掴み上げた。





「うわっ熱いっ、ごめんってっっ」


月明かりの中、目の前の中性的な顔が引きつって瞳が見開かれていく。

目の前で分かりやすい降参のポーズをとっているレラの首に揺らめく鎌をギリギリまで近づけて、一層口が恐怖で開いていくのを眺めた。




「…………いい度胸だな」

低く呟いてから睨みつけるとより引き上る。

こいつはカルモノの大賢者なんて言っていたが、とてもじゃないが賢そうに見えない。
逆に頭の悪そうな行動に気持ちが逆撫でられてイラつくばかりだ。




今ここでこいつを消そうか。




以前なら迷わなかったのに。

考える事すらなかったのに。





ふと、

壁の向こうで寝ている人間に意識が飛んだ。




俺が今、こいつを消したら


あの子はどうなるのだろう。







「ご…ごめんよ。くるしいってっ、寝てたからさっ…悪かったって」


必死に訴えてくる声に思考が戻って、締め上げていたレラを見ると
そのあまりにも情けない顔にこんな事をしている自分が馬鹿らしくなって

俺は軽く舌打ちすると乱暴にその手を離した。





「うわー。死ぬかと思った」

レラは自分の服を直しながら俺をチラリと見て、ワザとらしくため息をついてみせる。



「こんな時間にそんな状態で現れるからだろう?…勝手に鏡を抜けて部屋に入って来たのはお前だ…」

俺が呆れた口調で言いながらベッドにもう一度体を投げ出すと、レラがこっちを見ながらニヤリと笑った。


「えー。だってチャンミンと一緒に寝ていると思ったんだもん。最強問題児さんの偵察係としては一緒にいる時が楽じゃんか」


言いながら、意味有りげに瞳を細める。





「……まだ襲ってないの?」

「……」

「虜にしたんでしょ?平気だよ。願いは効いてる。抱いちゃいなって」

「……」




俺はその視線に鼻を鳴らすと背中の壁を指さしてレラを見た。


「……勝手にチェックして早く帰れ。俺は何処にも逃げない」


そう言ってから布団を掛けなおした。





「えー、冷たいなぁ。…………でも、取り敢えずは今のチャンミンで満足したってことでいいの?」

「……」

返事をする気にもならず、そのまま目を瞑る。


レラは俺の返事を暫く待ってから、何も返さないということが分かると小さく息を漏らした。





「ま、そりゃそうだよね。うちの総長自らのおまじないだもんね…」

クスクスと笑う声は嘲笑を含んだように掠れる。





「まさか最強最悪オヌなんて言われてたユノが、カルモノの館に自ら乗り込んで来るなんてさぁ…びっくりだよ」

誰も振っていない話を嬉しそうに始めたレラに背中を向けて、俺は顔の近くまで布団を引き上げた。

「血だらけのチャンミン抱えて、あの頑丈な門を鎌で軽々ぶっ壊したのは驚くのを通り越して笑っちゃったし。あれ、忘れられないなぁ…」




「……」



そこで言葉が終わって、痛いくらいに静かな空気が部屋を包む。







「…………あっという間に、二つ願い事しちゃったんだね」






シンとなった部屋に、さっきよりトーンを落としたレラの声が空気に消えていく。



「あと一個願ったら、総長が来るよ。ま、うだうだしててもアンタが結んだおまじないには期限があるしね……どの道消えるんだけどね…」

「……」


その言葉に、黙ったままぐるりとレラに向き直って目を開けると、さっきとはまるで違う冷たい瞳が俺を見据えていた。




「そういえば……チャンミンの……あのまじないは効力があるのか?」


途端に、レラの瞳が丸くなって、

それからすぐに嫌味なほどの笑みに細まる。


「……あるわけ無いじゃん。全くってわけじゃ無いけど……ま。あの剣はオモチャだね」


隣の部屋のチャンミンに気づかれないようにする為か、笑いを噛み殺して腹を抱える仕草をする。


「ユノ、チャンミンの契約でチャンミンに消して貰おうなんて無理だからね」




その言葉に、ふっと息を吐く。







「……始めからそんなつもりは無い」



俺はもう一度レラに背中を向けて、今度は本当に眠りにつこうと目を閉じた。





「それに……最後の願いは決めてある。チャンミンには出来ない…」



「ええっ?!なに?それ…」

「……」






今日は嫌な夢を見た。



明日あいつの顔を見て、

俺はまともに振舞えるのだろうか。








もっと深く。




夢なんて見ないように、眠ろう。














読んで貰えて幸せ( *´艸`)♡ありがとうございました!
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