KARUMONO 11


(Changmin)








真夜中にする足音に目が覚める。


昨日も同じ時間だっけ。



昨日と同じなら

リビングの窓が開く音がして
ソファにドサっと座る音がして

ライターの音がする。



それからタバコを吸い終わると

玄関に行く。




……同じだ。




僕はユノが玄関で靴を履く気配がしてから、自分の部屋のドアを開けた。





「どこに行くんですか?」



立ったまま壁に片手をついて靴を履いていたユノは、僕の声に振り返って口の端を少し引き上げた。

「仕事だ。…お前は寝とけ」
「仕事って…何処に行くんですか?」

「そんなに遠くには行かない。明け方迄には帰ってくる。…心配すんな。お前の仕事は遂行させてやるから。ちゃんと戻ってくる」

ユノはそう言って近づいた僕に軽く手を振って背中を向けた。

「心配しているわけではありません。でも僕も行きます」
「駄目だ」

振り返りもせずに間髪入れず答えるとそのまま出ていこうとするから
咄嗟にその腕を掴んでしまう。


「何の仕事ですか?オヌが仕事なんてそもそもおかしい。それに…あなたは僕と契約した身なんだから、知る必要があります」


そこ迄早口で言い切ったら、
ユノは振り返って少し頭を傾げるとこちらをじっと見る。


「教えたら、ここで大人しく待っているのか?」

「……それは」



つい数十秒前までの勢いがすぐに削がれて口籠ったら、ユノは微かに苦笑すると視線を逸らしかけた僕を覗き込んだ。




「………ちょっと化け物退治だ。大したもんじゃない。……そうだな…」



ポツリと呟くと


俯き気味の僕の頭にそっと手を置いた。




「……明日何か美味いものを食べに行こう。俺は食べ物に興味がない、お前の好きなところでいい」


そう言って、ぽんぽんと叩く。


「…金が何処かから勝手に湧いてくるわけじゃ無いからな。ここで人間と同じように生活する為の金を稼いでいたんだ。お前と会う前に受けていた仕事だ。気になるのは分かるが、決してついてくるな……いいな?」




声音は柔らかいのに
その瞳は影を作り
有無を言わせない光を灯す。


だけどはぐらかされている空気にムッとした感情が湧き上がってくる。

この人は会った時からそうだ。

僕をいつもどこかで見下したような扱いをする。


確かにカルモノとしても新米だし、能力も桁違いだからこの人にそういった態度を取られてもしょうがないけれど。

どんな強い鬼だろうが、僕は契約者だろ。

そんな思いが顔全体に現れていたのか、ユノは僕を見て呆れたような短いため息をはいた。



「お前をちゃんと認めている。…ま、いずれにしても、お前を連れて行く気は全くない。ちゃんとお前のところには帰ってくるから。……明日朝起きた時には俺はいる。約束する。……何食おうか考えて待ってろ」


そう言って余り色を変えない表情のまま
もう一度頭をぽんっと叩いてからドアノブに手をかけた。



そんな仕草が癇に障る。





「…約束って…そんなの信用できると思うんですか?……あなたなんて全く知らない僕が」







僕がそう背中にかけた言葉に




ユノの動きが止まる。








「……」


時間にすれば数秒あるかどうか。










「ああ……そりゃ…」




ユノはゆっくり振り返って僕を見た。




「…そうだな。出会ってからこんな短い期間で信用しろって方が無理か」


それから目を眇めて、笑った。












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2 Comments

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2018/08/04 (Sat) 00:09 | REPLY |   

くるりん@  

Re: タイトルなし

ゆ*まさま

ユノ実は見えないとこで膝抱えてシクシクしてます←嘘。

この話は微妙に分かるようで分からない感じのまま、二人が交わっていくんだけど…次どう書こうかなぁ(;´Д`)
といいつつ先日All Mineをフォルダー事iPadさんが消してくれたので、不貞腐れてほとんどお話書いてない…orz
「どこがiPad Proだよボケっプロじゃねぇ」といいながら今は絵を描いてる( ゚Д゚)
そのうちお話書きますm(__)m

2018/08/04 (Sat) 18:54 | REPLY |   

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