KARUMONO 14


(Changmin)









「ベッドに寝て下さいっ」


「…いい」


はあっと息をついて
ユノがソファに身を沈めた。




想像よりも傷は深く
出血も多かったというのに
手当が終わるとユノはそのまま窓際のソファに寝転んだ。


「ちゃんと寝ないと…」


だけど僕の声を無視したまま
窓を開けようと仰向けで頭上に手を伸ばし

「…っ」

あと少しで手が届かず
反った体に傷がいたんだのか、一瞬眉を顰めた。




「煙草…ですか?」


僕は窓を開けると
テーブルにあった煙草とライターを手に取って小さく息をつく。

「でも、煙草の吸い過ぎはよく無いんですよ…あなたは一日中吸っている」



ユノは何もすることがないと
一日窓際に座って、外をぼんやり眺めながら煙草を吸って過ごす。

こっちに話しかけるでも無く
声をかけなければご飯も食べない。

でも
たまに感じる視線。


僕がすることも無いから部屋に篭って寝転んでいると
ノックもせずに何度も顔を覗かせる。



だから
きっと多分
僕はこの人の目の届くところにいた方がいいのだろうなと感じて。

それからは同じ空間にいることが多くなった。



それに

なんでかは分からないけれど
僕もその方が気持ちが落ち着いた。



なんで…そう思う?






そんな事を考えながら
ふと気が付くと

ユノはいつまでも手渡されない煙草へ手を伸ばしたまま
少し驚いたように目を見開いていた。



「あ…ごめんなさい」



「いや…」




ユノは僕から煙草を受け取ると
寝転んだまま火をつけてゆっくり煙を吐き出した。



「お前さぁ……もうすぐ俺を消す予定なのに、傷の心配したり煙草の心配したり……面白いな」




「……え」




言われてドキりとする。

言われてみれば確かにそうなんだけれど。



でも。



「でも……あなたには助けて貰ったし…その…僕がちゃんと最後は消さないと…」



言い訳がましく感じてしまう言葉に

ユノは
「ふーん」って言って
唇を笑みに曲げると煙草をまた口に運んだ。




「……じゃあ、あの馬鹿とノコノコ出かけて、その役目を危うく為し遂げられないところだったな…」


「……それは……」


「…俺は家で待っていろって言っ…た…んだ…」


煙草の灰が落ちそうでユノは口から外しながら起き上がると、一瞬痛みをこらえるように肩を竦ませた。

「ユノ?!」

その姿に慌てて煙草を取り上げその体を支えながら表情を覗きこむように頭を傾げてしまう。


「……大丈夫ですか?痛みますか?」



「……」




無言のまま顔を上げたユノの瞳が間近に見えて



僕は急に

胸の奥をぐっと掴まれたような息苦しさを感じてしまう。





「……ユノ…?」

いつ迄も何も言わずに僕を見つめるユノに
戸惑いから体が逃げようとして

腕を掴まれた。



「……どうしたん…ですか……?」


息が詰まりそうになって
掠れた声が口をつく。


それでも
ユノの揺れた瞳から逸らすことが出来なくて。
体は動かない。







ゆっくりと



ユノの上げる左手が
躊躇いがちに僕に伸び

人差し指と中指が震えながら

そっと


頬に触れた。







「…本当に…何も無くて…よかった…」




ユノの口から安堵を含んだ息が吐き出され






僕は



全身に鳥肌が立つ。






だけどそれは恐怖じゃ無くて、


さっき抱き締められた時に似た
熱く、とろけるような浮遊感を運んできて


吐息

のような


安息

のような


勝手に喉が震える。




「…ユノ……今度は……間に合ったから…」





自然と口から出た言葉に
言った自分で驚いてしまう。


…………なに?…これ


瞳を泳がせ
自分で作った疑問に動揺しながら
もう一度視線を戻すと




「チャンミ…ン…?」



そこには瞳を見開いたユノがいて

目が合うと
泣き出しそうな表情で
震えた息が頬にあたる。






「……すまなかった……チャンミン」





掴んだままの腕を引っ張られて
ユノの胸の中に落ちると

そっと囁くような声が聞こえた。






……何に謝ってるの?


疑問が浮かぶのに


それ以上に

僕の胸には
泣き出しそうな疼きが繰り返し波のように寄せてきて



煙草の匂いが鼻につき
ユノの肌を感じて胸が高鳴る。



灰皿に置いた白い煙が燻り漂ってきて

僕達を包むと
身体にのぼせるような高揚感が湧き上がる。




ああ、この感じ


僕は知っている。





駄目だ。


僕は
おかしくなっている。


この感情は。





「…チャンミン……」



ユノの
僕の名前を呼ぶ声が心地いい。




「…最後まで…俺のそばに…」





言葉の終わりは無く。


身体が離され

ユノが慣れた手つきで僕の下唇をなぞった後
そっと口付けてきたから

僕はそのまま目を閉じた。













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そうです。明日は鍵記事(*ノωノ)
カルモノはいつもよりエッチいんだよねw
いつもの数字のご用意を♡

そしてこのお話は今回16まで。
話の折り返し地点。
これでブログに戻し終わります。
暗ーいお話にお付き合いありがとうございますm(__)m


読んで貰えて幸せ( *´艸`)♡ありがとうございました!
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5 Comments

くみちゃん  

くるりんさん こんばんは☆☆☆☆☆カルカモなんかギュッと切ないけど面白い(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)♡チャンミンを守るユノが堪らなく好物です(๑•̀ㅂ•́)و✧明日鍵付きめっちゃ楽しみ〜( ˊᗜˋ) ~♪

2018/08/06 (Mon) 21:45 | REPLY |   

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2018/08/07 (Tue) 08:29 | REPLY |   

くみちゃん  

くるりんさんごめんなさい(@_@;)カルモノって描いたつもりが...カルカモってなんやねん((((;゚Д゚))))(꒪ꇴ꒪ (꒪ꇴ꒪ (꒪ꇴ꒪ ;)エエエッ?今見てびっくりしました(°д°)(°д°)(°д°)(°д°)
すいませんでした( ´༎ຶㅂ༎ຶ`)

2018/08/07 (Tue) 16:26 | REPLY |   

くるりん@  

Re: タイトルなし

く*ゃんさま

このお話切ない「だけ」なんですよねw
面白いなんて言ってもらえて嬉しい(ノД`)・゜・。
明日までなのでお付き合いをお願いします♡
コメント訂正ありがとうねー!
実は私言われるまで分かんなかった(笑)

2018/08/07 (Tue) 20:07 | REPLY |   

くるりん@  

Re: 更新ありがとうございます

ヤ*さま

申し訳ない位に嬉しいコメありがとうございます♡
カルモノのこの世界はオタクチックなので東方神起の普通の、それこそ普段あまりそういった方面に興味のない方には、さらっと読める恋愛話ではないので面白くないんですよね(;´Д`)なので人気ないw
私もこういう関係昔から大好きなんです。
それにバニラでは文章として書いているし、他のお話も全部そうなんですが
私「言えなかった言葉といわなかった言葉」が交錯する話が萌えるんですwww
これもそう。色々話しちゃったら楽なんだけど、相手を想って絶対言わない。

明日で一応区切りですが最後までお付き合いをお願いしますm(__)m

2018/08/07 (Tue) 20:17 | REPLY |   

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