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All Mine 「選択」 9

(Yunho)








頬に触れた何かが擽ったくて
ゆらゆら浮上した耳にチャンミンの声が聞こえた。


俺のすぐ間近にある気配。

吐かれる溜息。


「……ダメじゃんね」


なにが?

俺?



ああ、寝ちゃってた。


それにしても。
頬がくすぐったい………


霞んでいた視界に
頬へ触れていた何かがチャンミンの指先だと気付いて
もう反射的に掴んでいた。



「チャンミン……どうした?」


眠くて重い瞼を引き上げたら
驚いた表情のチャンミンがいて
すぐに引かれた手は
強く握り直した。




今日あんな事があって
言いたいことも聞きたいことも沢山あったし
喉まで出かかった言葉も数え切れない程あったけれど。

どうしてもこの関係を壊したくなかったから
俺は我慢していたのに。


人が寝ている間になんて
狡すぎるだろ?


そう思ってから
前回の俺も同じ事をしていたんだと思い出して
自分自身に苦笑した。



体が重い
眠い。

だけど目の前で瞳を泳がすチャンミンを手放す気は無い。


「……ぁ…」
「どうしたの?…駄目って?」

手を離さないまま俺は起き上がると胡座をかいて
視線を逸らしたチャンミンの顔を覗き込むように体を曲げた。

「…あの…」
「うん」
「寝ちゃってたから…髪…」
「え?……ああ…拭いてくれたの?」


今のこんな関係でもそんな事してくれるんだ?

……って言ったらどうなるかな。


試してみたい事が沢山浮かんでくる。
だけどすぐにそれは駄目だって思いとどまる。


だって壊したくない。

ここまでの俺たちの関係は悪くないだろ?


俺、結構頑張ってるつもり。


どうかな。





「ありがとう。優しいね」


そう言って今だに泳ぐ瞳になにか見えないかと見つめていたら
チャンミンの耳が赤く染まっていく。


「や、優しいとかっそんなんじゃないから」

勢いよく手が引かれたから
さすがに離してしまう。


……残念。



握っているのも変なんだけど。

大人になると
誰かにずっと触れているって
握りしめるなんて

特別な気がするから。

それがこんな不安定な関係なら尚更
なにかを許してもらっている気がするから。

残念だなぁ。


「布団にカビが生えるでしょ」
「え?…あ、うん…そう?」
「そうです」
「俺結構濡れたまんま寝ちゃっているんだけど…」
「こんど枕カバー取ってみてください。驚くから」
「…えー?……カビ…いや、たまに干してるし…」
「ユノのことだから一年に一回とかでしょ」
「……」
「明日家で慄いてください」
「……ショックで泣くかも」


ちょっと吹き出したチャンミンにつられて俺も笑顔になる。
途端に安堵と嬉しさが湧き上がる。



今これって現実だろ?

あのバカじゃなくて俺の目の前でチャンミンは笑顔でいてくれる。


だから
こうやって過ごしてくれている事だけを見て
オメデタイと思われようが俺は喜んだ方が良いよな?



でも
なのに、なんだろう。


もっとこう


なにか。


なんだろうな。


先が…この先の何かが欲しいけれど。



言葉が出てこない。




次のお誘いなんて
こんなタイミングじゃ嫌がるよな。

あんな事もあったから余計。
俺と何処かへ行く事を怖がったらやだな。


あー俺、考えすぎか。

でもさ
俺の癖を覚えていて
髪まで拭いてくれて

こうやって少しだけ見える希望に
めっちゃくちゃ嬉しいんだ。

だから
自分からこの笑顔を壊して後悔するのが嫌だ。


もしかしたら

俺の方がよっぽど怖がっているのかな。



「ねぇユノ…」


ぐるぐると終わりのない思考に眠さも相まって
ぼんやりと見つめていたら
チャンミンが俺を見た。



「なに?」




「……今日はありがとう」



思いもよらない言葉に驚く。

いや、思いもよらないわけではないけれど
なんていうか
チャンミンが蒸し返したくないと思っていたから
向こうから話題にしてくる事に驚いて


「ぁ……いや…気にすんなって」

狼狽えた声色で返事をしてしまう。

「うん…」
「俺も店の名前言えば良かったな」
「うんん。そんなの」



「あのさぁユノ…」
「ん?」
「今度いつ暇?…お詫びにまた近いうちにご飯行こうよ…僕奢るから」

「…え」

「この後しばらく仕事も落ち着くからユノの都合のいい時でいいよ。僕が合わせる」



……ああ、なんか。


やっぱり笑顔なのに揺れた瞳が見えて。

俺は苦笑してしまう。



本当に

壊したくないな。


チャンミンがそれでも俺との関係を続けくれるのが分かるから。



だから俺は俺なりに精一杯。



「うん。ありがとう」

言いながら腕を掴んで
いつも通り引き寄せ抱きしめた。

途端に体が強張り肩が竦むのは予想通り。


予想通りだから
俺との想いの差を感じてがっかりもして。



それから


一瞬超えてしまおうかと迷いが頭を過るけれど


堪えて。


嫌な警戒をさせないように
何度か背中をバンバン叩き
ビクつくその体を感じ

今この瞬間もやっぱり
違う意味で残念に思いながら


ギリギリ限界なラインを選んで耳元に顔を寄せる。


「……無理すんな」

言った瞬間

「無理してないですっ」

胸に手が置かれ、グッと引き離される。


僅かに抵抗しようとした体は
「ああもうっ熱いって」
かなりな力で押し返された。



ああ。


チャンミンが望んでいるラインが少し見えた。




だから自分の中で
「うん」って頷き


されるがままに体を離し
「えーっスキンシップだけど。寂しいなぁ」
頑張って声を上げて笑った。

「ユノは過度なんだよ」
「えーそうかなぁ」


拒否、というのではないけれど。

湧き上がる泣きそうな感情を誤魔化すように
チャンミンの言葉に乗って苦笑する。



これ以上はしない。

でも分かってよ。

好きだって。


だからこれ以上は踏み込まないって。




「もちろん行く。嬉しい、ありがとう」





例えばここで


俺がまた頬を撫でたら

どうなるか。


……酔っときゃよかった。


抱きしめてキスしてそのままヘラヘラと寝ちゃって
次の日「なにしたの俺?」って誤魔化せるぐらい。

……なんて無理か。



「じゃあチャンミンがせっかく奢ってくれるなら高いトコ探さなきゃなぁ。五つ星ホテルのコースとかも平気?」

「ぇっ…そんなの…」



瞳を見開いて口を開けたチャンミンにもう一度笑い返す。


「奢ってくれるんだよな?」
「大人の常識って知ってます?」

ムッとした顔に
ほっとして

胸の奥に痛みが走るのに気付く。

チャンミンが望んでいるのはこういうのなんだろう。

なら俺はさぁ。


「大人の常識?俺とお前の仲で?」
「…は?」
「やだなぁ、昔からお世話になっている人にケチるなんなてさぁ…せこいぞチャンミナ」

この関係を壊さないように
そっと
包んでいくから。


だから。


「じゃあお前の気が変わる前に早速決めようかなぁ」

スマホを取りに立ち上がる。

そのどさくさに紛れて
目の前の頭をワシワシと撫でた。

「逃げんなよ」

そう言ったら見上げた視線は
なにに対してかは分からないけれど
大きく見開かれ


俺は
その表情を見て見ないふりして

もう一度頭を撫で
なにに対してか分からないけれど曖昧に笑った。













-------------------------------
と、いう事で急遽もう一話追加。
久々修正入れずな私の話、長いね。すいませんっ;つД`)

さて、お話はここで終わり。いかがでしたか?
どこかちょっとでも楽しんで頂けていたら嬉しいです。

今回のAll Mineは題名通りそれぞれの選択でした。
チャンミンの選択だけじゃなく最後にユノも選択させたという(笑)

この先はお互い少しずつ変化はありますが
またいつも通りご飯を食べたり飲んだり
どこかへ遊びに行ったりするのが書けたらいいなぁと思ってます。
あと、どっちかが我慢できなくて何かがあったらいいなぁとかね( *´艸`)

まぁなんだかんだお互いがどう思っていようがこの二人は事実上デート重ねてんだけどねwww

ここまでお付き合いしてくくれた皆さん
ポチも押してくれて嬉しかったです♡
8話しか書いていないのに一瞬でもトップ10にぶっこんで貰えるなんて幸せ!
本当にありがとうございました(*ノωノ)
またやる気が出るのでポチポチよろしくお願いしますm(__)m




読んで貰えて幸せ♡ありがとうございます。
頑張れるのでポチポチ押していただけたら嬉しいです。
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- 12 Comments

723621mam  

No title

ああ、うう、、、
ここで堪えられるユノ、頑張れユノ、偉いぞユノ、、、
そして、頼むよ、ユノ、、、

2018/09/05 (Wed) 20:19 | REPLY |   

-  

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2018/09/05 (Wed) 20:49 | REPLY |   

-  

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2018/09/05 (Wed) 21:15 | REPLY |   

-  

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2018/09/08 (Sat) 18:08 | REPLY |   

-  

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2018/09/13 (Thu) 18:18 | REPLY |   

くるりん@  

Re: No title

723621mamさま

ユノチャンミン大好きだからねー( *´艸`)

2018/09/18 (Tue) 14:49 | REPLY |   

くるりん@  

Re: 切ない♡

た*ごさま

私のウダウダがくどい話w好きって言ってもらえてうれしい(*ノωノ)
ありがとうございます♡
またこの二人が出てきたらお付き合いお願いしますね( *´艸`)

2018/09/18 (Tue) 14:52 | REPLY |   

くるりん@  

Re: タイトルなし

yo*rinさま

毎日お付き合いいただきありがとうございました( *´艸`)
そうそうこの二人お互い好きなんだけどねー
私お得意のチャンミンがウジウジするっていうやつね(笑)
ユノが知る瞬間のシーンだけは頭にずっとあるんですけど、そこまでどう持っていくかが全く浮かばないwww
このお話の一番の問題かもしれません;つД`)
またこの二人が出てきたら覗きに来てやってください♡

2018/09/18 (Tue) 14:55 | REPLY |   

くるりん@  

Re: ああっ……

チャミ*モさま

お久しぶりですヾ(≧▽≦)ノ
そうそう私はこのじれったくてウジウジしている途中を書くのが好きでねー( *´艸`)
そこ散々書いた後は実はお話自体どうでもよくなっている時があって←おい。
この部分さらっとやったら私のお話どれも5話ぐらいで終わるんじゃないかなwww
これについてこられる少数の方にお付き合いいただいております(笑)ありがとうございますm(__)m

もうツアーが始まりますね。
アルバムも一週間で聞かなきゃいけないしビギに課題が一杯(笑)
お互い楽しみましょうねー(/・ω・)/

2018/09/18 (Tue) 15:02 | REPLY |   

くるりん@  

Re: No title

チャ*1011さま

まとめ読みありがとうございますm(__)m
そう、まとめ読みが一番いいはず(=゚ω゚)ノ
すいません私のじれったっ好きに付き合っていただいて( ̄▽ ̄)www
ユノはチャンミンが大好きだから頑張っております。
これからもご飯食べて遊びに行ってお互いの様子を探りつつ時間を過ごします…ってもう恋人同士のデートだよね(笑)

2018/09/18 (Tue) 15:06 | REPLY |   

-  

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2018/11/24 (Sat) 10:29 | REPLY |   

くるりん@  

Re: No title

ぱ*こさま

読み返しありがとうございます(ノД`)・゜・。
ミンホ派なんですね。
余計読んで貰えて嬉しいなぁ。

このお話はリアルを書かない私が一番今のリアルの二人に寄せているかなぁと思ってます。
だから一話目冒頭にもあるように歳の差も合わせましたw
切ないのは相変わらず大好物なんでそんなものばっかり書いていますが、またこの二人が出てきた時は覗きに来てやってください。12月に一話UPする予定でいます♡

2018/11/27 (Tue) 09:10 | REPLY |   

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