All Mine 「飲みの果て」



それでは勝手にクリスマス企画第二弾(笑)
All Mineシリーズ。
ここはじわじわと進んでます( *´艸`)
今日もいつも通り二人でご飯食べて飲んでます。






All Mine 




「飲みの果て」








(Yunho)








「僕は……確かに予定を合わせるって言いましたけど」

不貞腐れ顔のチャンミンが目の前で灰汁をとる。
鍋奉行とまではいかないけれど。

まめに肉や野菜を鍋に入れ
灰汁を取り
食べごろのものを俺の皿に乗せ
自分も大きな口を開けて頬張る。

それからビールを口にして
あちこち飛んだつゆや水滴をお手拭きで拭いて
でもこちらへ向いた瞳はやっぱりムクれたそれだった。


「もう決めるの急過ぎるんですよ。明日か明後日の夜は?とか…」


ま、そうだな。
とは思う。

次週にクリスマスを迎えた賑やかな時期
世間一般の会社員からすれば師走の忙しい時期でもある。


だけど俺たちはちょっと小洒落た居酒屋の鍋をつついて酒を飲んでいた。

あの出来事の後
チャンミンから提案してくれた食事は
五つ星ホテルを敢え無く却下され
ブーブー文句を言う俺とそれをあしらうチャンミンでだらだらとその日は結局決めきれず。

重要じゃない飲み会という位置付けの俺たちだったから、延ばし延ばし直前で空いた夜が今日だった。

当然いいレストランなんて空いているわけもなく
飛び込んだ居酒屋のコース鍋をつつく事にした。

「だってしょうがないだろ?お互いあいているのが今日で、しかもすいていたのがここなんだ。結局ホテルの豪華ディナーを食べ損ねた俺を可哀想と思うならそんな顔をするなよ」
「……可哀想がる理由がわかりません」

呆れ顔で「はぁ」ってため息をついた後
「でも安く済んで良かった」って笑った。

その笑顔を見て
俺は嬉しくもあり、どこか違和感を覚える。

違和感?
それも違うような気もする。
何か分からないモヤモヤした空気が胸を曇らす。


あんな事があった後だから内心もう有耶無耶にされると思っていたのに、いつまでも決まらない日程にチャンミンは逆にこちらへマメに連絡をしてきてくれるようになった。

会えることが嬉しい。
そんな事をしてくれるようになったことも嬉しい。


だけどどこか胸の奥、引っかかる。

目の前の美味しそうに野菜を口に入れたその表情を俺はグラスの向こうに眇め見た。


なにが問題でなにがダメなのか。
よくわからないけれど
進展したようにも思える関係。
いいんじゃないの?って思うけれど。


「ユノんとこはいつまで仕事なんですか?」
「もうギリだよギリ。29掃除」
「あーよくある…さすが昔ながらの大企業。うちはそういう慣習無いです」
「馬鹿にしてんな。お掃除ロボットが床を24時間動いてるからな最先端IT企業は」
「馬鹿にして」

あははと笑うチャンミンに苦笑してグラスを口に運ぶ。

久々に再会した俺が望んだもの。
昔みたいな笑顔までたまに見せるチャンミンに
俺はなにが不満なんだか。


「そういえば来週はクリスマスですけど、ユノはいいお誘い…」
「お前もう酔っ払ってて俺に殴られたいの?」
「いや、世の中こういう雰囲気だとちょっと聞いておこうかなって…」

嫌味を含み気味に言うその顔を睨みつけながら、俺は鼻を鳴らしてサワーを飲み干した。

「チャンミンお前暇ならクリスマスイブは休みだし俺と出掛ける?」
「え」

こんな返しを想像してなかったのか
さすがにその瞳が一瞬泳いだ。

まぁこっちは予想通りだったから
スルーされるだろうと
しらっと肉を口に運び、その表情から視線を外したのに。


「……え……ユノどこか行くの?…行ってもいいけど」

そんなセリフが耳に届き
驚いて顔を上げた。

「え…いいの?」
「……暇ですけど」
「なんで?言わなかったじゃん」
「なんでユノにわざわざ言うんですか」

そう言われりゃそうだ。

「どこ行く予定なんですか?」
「え…」

当たり前に質問されて
言葉に詰まる。

「あー………世界中に愛されてるネズミがいるトコ?」
「勝手に行ってください」
「あーーーーーっうそうそ。イルミネーションとか映画とか……飲み?」
「決めてなかったんですね?」
「いや行くって言うと思わなかったから…」

急に上がったテンションで
追加で来たサワーを持つ指先が震えてる。


なんだこれ。


「チャンミン………どうしたの?」


思わず聞き返した言葉に
チャンミンは俺に手を差し出し器を寄越すように促す。

「……別に…そういえば暇だなって思っただけですけど」


ごく普通に。

これと言ってどこか不審に思う仕草も無く。


「はい、おつゆ結構入れちゃった。ヤケド気をつけてくださいね」
「うん…ありがとう」

両手で受け取って山盛りよそわれた器をそっとテーブルに置くと
また食べ始めたチャンミンをじっと見てしまう。


何も問題がない。

何もないから。

戸惑う。



「お前さ……気を悪くしたら悪いんだけど。この前ので俺に気負ってない?」

ここか?

言わなきゃいいのにって頭のどこかで強烈なツッコミが起きているけれど。
聞きたくなるぐらい今の、今日のチャンミンはこれまでと違う。

あの部屋で俺は確かにチャンミンの壁を感じたから。
ヘタり込みたいぐらいなショックすら受けて
お前が望むラインを感じたのに。

だからこうもチャンミンから近づいて来ると
なにか、こう不安が湧き上がる。


「…え?……あ…」

俺の質問にチャンミンは食べていた手を止め苦笑した。

「ごめん。思い出させて悪いんだけど…なんか…」
「違いますユノ。気負っているんじゃ無くて。あそこまで知られてしまったからもういいかなって思ったんです。……だから逆に気負って無いんです」

「ははは」と目を眇めて笑うチャンミンは
もう一口ビールを口にすると

「こんなこと知っているのはこの世の中でユノだけなんですよ。隠し事もなにも無いから気楽なんです。だからこの先仲良くできたらいいなって…」

そこまで言って
チャンミンの視線が俺から逸れた。

「ユノとこうやって飲んだり遊んだりは楽しいかなって……ここ何回か会って、ユノはやっぱりカッコいい僕の憧れの人だなって思ったんです。だから今度はちゃんと友達として付き合って欲しいなって思えて…」





聞かなきゃ良かった。




こんな宣告食らうとは。


この前感じた事を改めて言葉でダメ出しされるなんて。



言い終わった後
ニコニコと俺を見ながらビールを飲むチャンミンを見ていられなくて、俺の方が視線を下げ器に盛られた野菜を口にする。

「褒めてもお前の奢りだからな」
「えー…残念…」
「なんだよそのために持ち上げたのかよ」
「うん」

精一杯取り繕った返事はチャンミンの戯けた声で空気が変わった。


そっか……
そうだよなぁ。

違う未来を望んでいたのは俺だけだったか。
でもさ。

「じゃあいい年こいた男二人で夢の国な?朝から並ぶから」
「は?」
「しょうがないから酒飲める海の方に行くかぁ。待ち合わせ何時にする?今チケ取る」
「いや勝手に行けって言ったでしょ?」
「…………取った」
「はああああああ?!」

購入画面をチャンミンに見せたら
顎が外れそうな程に口を開けた。

「チャンミンとクリスマスイブは仲良くデートな」
「なんで了承も得ずに決めちゃうんですか?!」
「暇だって言っただろ。イチャつくカップルの間通ってやるか」
「うわー今時中学生でもそんなことしませんよ」

呆れ顔に笑い返して
俺はまたサワーを口にした。

「そういえば俺、クリスマスにあそこでデートなんて初めてだ。それがお前かぁ…」
「僕だってそうですよ。そんな顔して嫌なら誰か誘って下さい、ユノなら二つ返事で女の人が応じるでしょ?」
「んなわけないじゃんか。それに俺はお前と行くのがいいの。デートなデート。周りにちゃんとクリスマスはデートなんですって言えよ」


チャンミンの望む関係に俺も乗る。

好きだから
俺は俺なりの形で。

たとえ俺の本当の気持ちに気づいても今のチャンミンなら気付かない振りして一緒に過ごしてくれるはず。


それで


………よくはないけれど。


カッコよくて憧れの大人な俺は「しょうがない」かな。



「言うわけないでしょ、嫌ですよなにがデートですか。でも久しぶりです。前行ったのはいつだったかなぁ…」

ジョッキを手に斜めに視線を向けて暫く記憶を巡らせたチャンミンは、思い出したのか急に声を上げて笑った。

「あ……行ったのって……ユノとだ。夏のすごく暑い時」
「あれかぁ…覚えてる。日焼けしまくった時だ」

……あの時俺たちは恋人関係だったよな。
人気が疎らなアトラクションでキスしたっけ。

そんな事を言えるわけもなく。


平気であの頃の思い出を語るようになったチャンミンに少しだけ悲しくなった。











(Fin)




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という事でAll Mineの二人。
いかがでしたか?
ビミョぉーな元恋人同士。
お互いまだ好きなんだけどね。

この二人は24日はシーに行ってますねw
内心は別にして結構ワイワイ楽しく遊びそうです。


それでは次は22日から4日間に渡って「風のかけら」。

……えーっと…風のかけらなんですが。
ツイでは一回叫んだのですが。

iPadからFC2に移行途中に…1話…消しまして…orz

絶賛書き直し中です;つД`)
もうお話自体が前に書き過ぎて修正があまり効かず
結構能天気な明るい話だったはずが
「無理…こんなのどうやって書いたんだよ」と半泣きで急遽色を変え
残っている話にうまく繋げられないかと今現在も書いているのですが

22日までにまとまらなかったら…
…あーーーーー謝罪文が載ります(笑)

しらっと何事もなかったように
22日に風のかけらが載ることを祈っといてやってください(ノД`)・゜・。


それでは22日に。




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2 Comments

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2018/12/20 (Thu) 00:56 | REPLY |   

くるりん@  

Re: No title

ぱ*こさま

お互い我儘さん(*ノωノ)
ちょっと違うかw

2018/12/22 (Sat) 16:02 | REPLY |   

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