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風のかけらSS 「Christmas gathering next」 2


(Changmin)









「ユノがクリスマスは用事があるっていうから絶対ここに彼女引き連れて来ていると思ったんだけど」


テーブルに来るなり慣れた感じで目の前のグラスにワインを注ぎ、そう口にしたらから思わず落ちかけていた頭を上げてしまった。

「……え…彼女…」
「来た?」
「え…あ、いや…来てないです…」


……また恋人話か。今日は散々かも。

そう思いながら僕達を呆れた顔で見るエリさんに愛想笑いを浮かべてしまう。


「居ない代わりにいつもの二人とチャンミンくんでご飯食べてるし。男ばっかりで色気ないなぁ。チャンミンくん彼女いないの?!」

「……はぁ…すいません…いません…」

そういえばユノさんと僕の関係って知らなかったんだっけ。
エリさんがワインを煽ると僕の方へ前のめりで豪快に笑うから、僕は上手いことも返せずに謝ってみる。

近くで仕事をしていたエリさんはユノさんと先日電話で話したらしくて、今日の日程を聞いたようだ。

「ユノに連れて来てもらったの?美味しいよねここ」
「はいっ凄く」

大きく頷いた僕にエリさんは「相変わらず可愛い顔してるなぁ」なんて言って店内を見回した。

「ユノは仕事押してるの?デートじゃないの?せっかく近くにいたからちょっと新しい彼女の顔拝もうと思ったのに」

プーッと膨れたエリさんは
リュウさんが片付けようとしたお皿からサルティンボッカを摘んで口に入れるとワインを飲む。

「そうだよユノはまだ仕事。いないからそれ飲んだらさっさと帰れよ。終電無くなるぞ」
「うん。これ飲んだら帰る。ユノが来たら怒られそうだしねー。チャンミンくんこのあと暇?私と飲まない?」
「え…ああ…いえ…」
「絡むなって。ほらこれ下げるから」

食べかけのサルティンボッカがまだ少し残っていたのに、お皿を片付けてしまったということはリュウさん本気で追い出そうとしているんだな。
何気に見たシウさんと目があってお互い苦笑してしまう。

エリさんは相変わらず明るくて快活。
悪い人じゃないし、いいんだけど。
ユノさんがいないところで僕の存在は曖昧だよなぁ。
この人にバレたらどうなるんだろう?


「でも二人はもう見てんの?ユノの新しい彼女。芸能人?金持ち?可愛い?」
「さあね」
「うるうせえ、そろそろ本気で帰れ」
「えーっずるーい知ってんだ」

それから口を尖らせたエリさんは僕を見る。

「チャンミンくんは見たことある?」
「……いえ…」

スルー気味なリュウさんが厨房に消えシウさんが相手をしてくれそうもないと分かるとエリさんは乗り出して来たから慌てて首を振った。

「見たいなぁ。……チャンミンくんっ、ユノはね掃いて捨てるほど女が寄って来るのよ」
「掃いて捨てる…ですか…」

なんか…僕の想像以上?

「そうよモデルもアイドルも女優も。あんな顔でにこやかに写真撮れば落ちるんでしょ?しかも結構手が早いんだよあいつ。下手したら全部味わってんじゃないかな?」
「……は……はぁ…そんなに?」

再び色を変えた爆弾が落とされて僕は口が開く。


「だからまぁ、ごく普通の女じゃ相手できないわよね」
「はぁ……そう…ですね…」

だから……色々手慣れて上手いわけだ。

凄すぎて違う意味の溜息まで出る。


「仕事だって結構ご指名多いんじゃない?」
「ご指名?!」
「そう。ホストみたいよねー。だって元は風景専門なのよ。こんなにあれこれお声がかかると思う?」
「……たしかに…ミナミさんもご指名だったかな…でもあの人は…」

…違う気がするけど。

腕を組んで首を傾げた頭の隅で
以前ユノさんとハグした光景が浮かび
そうあってもおかしくない程の別世界だったのを思い出す。

確かにあの時、僕は自分が場違いなほどの空気を感じて
違い過ぎてもう圧倒されたんだ。

「来栖ミナミだってそうかもね?逆にご指名とかそれぐらい出来る人じゃないとユノの恋人なんて無理じゃないかなぁ」
「え……無理…ですか?」

…無理って言われると
僕は明らかにその対極にいる無理の見本のようで、頷いたエリさんに笑いながらもへこんでいく。


「お前酷いぞユノのこと本当は嫌いだろ?流石にそこまで遊んでないよユノは」
「えーーーっ付き合い長すぎて知り過ぎちゃってるだけよ」
「何をだよ。女ってやだよなぁ、一のことを想像で百に広げるからな。チャンミン信じるなよっ百分の一に聞いとけよ」
「はぁ……」
「失礼ね。似たようなことはしてるでしょ」



仲がいいと分かる気の置けない会話は
僕の知らないユノさんを沢山教えてくれるけれど
同時に揺らいだ気持ちと不安が沸き上がる。

僕はなんでユノさんの恋人になれているんだろう。

僕はただのファンで。
お金も権力も無くて。
ユノさんのなんの役にも立ってないのに。

なんか…どんどん自信がなくなっていく。


……僕ユノさんん恋人で…あっているのかな。


「でも今回の子はどうなんだろ?」

また下がり始めた頭の上でエリさんが頭を傾げた。

「今度の子は……上手いことやったよなぁって気もする。…あんな大怪我の後なんて、ユノも心の隙間に入り込まれちゃったのかなぁ…」

……え。

「………上手い事入り込む…ですか?」

思わず聞き返したらエリさんは少し眉間にしわを寄せて頷いた。

「だって本当にユノ落ち込んでいたんだもん。みんなが触るのも躊躇うぐらいにね。それがどこでどういう風に取り入ったんだか知らないけど…」
「取り入った…」
「うん。だから女の私がよく見とかなきゃって。なんか私ユノ心配でさぁ…あ、そういえばチャンミンくんってモデルの仕事続けるつもりになったの?」
「え?」

思いもよらない質問に飲みかけたグラスの手が止まる。

「…いや……ぜんぜん予定は…」
「そうなんだ?じゃあ君は本当にお気に入りなのね。ユノはね、かなり親しくなった人だけこの店に連れて来るから。この先実はまたユノとお仕事するのかなって…」
「いえ、ユノさんは僕にあれ以来そんな事言わないです」
「ふーん。まだ希望を捨ててないんじゃない?」
「はぁ…」
「エリ、そんな事言っているとユノに怒られるぞ」

シウさんが呆れ顔で間に入ったらエリさんは苦笑してシウさんに顔を向けた。

「だってここに連れて来たんでしょ?それに来栖ミナミの時のチャンミンの撮り方。シウに見せてもらった没画、あれはさぁ最高だったもん。チャンミン本当にもうしないの?絶対ユノは撮りたいと思ってるよ」
「そう…ですか?」

まぁ……普段を撮らせてって言っているけれど。
それとは違うか。

呑気にワインを口にした僕にエリさんは口を曲げる。


「素質あると思うけどなぁ?この前のコレクションのオファーだってユノがいつかやりたいって言っていたブランドだったから絶対いい画をとったと思うんだよね。本当にもったいない。なんで断っちゃったんだろ。綺麗に撮ってもらえばチャンミンも一躍世界に出れたかもなのにね」


……え…


エリさんの言葉に
はっと息をのむ。

僕のことじゃない。
その前に言った言葉。


………それ…


胸がジワリと熱くなる。

あの時ユノさんは僕がモデルになる事は了承しないって言ってくれたけれど。


……でもさ…それとこれは違うよね。



「エリいい加減にしろよ。ユノが決めたんだ。チャンミンは関係ないだろ?」

シウさんの声に微かに怒りの色を感じて
僕はますます思いを強める。

あの時はユノさんの言葉になんとなく流されてしまったけれど。


「ねぇエリさん。ユノさんほんとは……本当は凄くやりたかった仕事なんですか?」

僕は乗り出すようにエリさんへ尋ねてしまう。


……やっぱり…そうだったんだ。


エリさんは僕に頷くと
少し眉を下げてため息をついた。


「チャンミンの方にはオファーがこなかったの?やっぱりユノありきでチャンミンだったのかな。……だってオファーが来たのって…」

エリさんが口にしたブランドは
ファッションに疎い僕でさえ知っていた世界的なブランドだった。

思わず震えた息が出る。


「お前いい加減喋りすぎだろ。本当にユノに怒られるからな」
「エリ、終電は?……お前の路線後10分だけど」
「あっやだっ」

シウさんの呆れた声と厨房から戻ってきたリュウさんが続けた言葉に
エリさんはワインを飲み干し
「チャンミンっ新しい彼女チェック入れといて」って呆然とした僕に手を振ると
カバンを掴んで立ち上がった。












------------------------------
そうそうくるりん@の話ってこれね(;´Д`)って感じですね。

ここのところリーマン系は色が違ったので影を潜めていましたが。
誰かを叩き落すことが多い私のお話。
すいません…好きな方だけ最後までおい付き合いを;つД`)



読んで貰えて幸せ♡有難うございました♪
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- 4 Comments

723621mam  

堪能しておりまする。

2018/12/23 (Sun) 22:54 | REPLY |   

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2018/12/23 (Sun) 23:33 | REPLY |   

くるりん@  

Re: タイトルなし

723621mamさま

くどいウダウダ書いている自覚がとてもありますm(__)m

2018/12/24 (Mon) 18:37 | REPLY |   

くるりん@  

Re: タイトルなし

ゆ*まさま

すいませーーーーーん(ノД`)・゜・。
今回くどいほどに爆弾落としたのは話を消した私の所為(笑)
えっとね…ユノさんちょーーーーっとだけやっと出てきます
明日からはもう恥ずかしいセリフ一杯の仲良しさんです( *´艸`)

2018/12/24 (Mon) 18:54 | REPLY |   

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